山梨の実験線にて、超伝導リニアモーターカーの試乗会に行ってきた!
実は、自分の大学での研究テーマって超伝導なんだ。
いつもは机の上で、小さなサンプルで実験しているばかりで寂しいので、
こういった、実際に応用された姿を見るのは楽しい。
親が成長した子供を見る気分・・・とまではいかないけれど、
バット職人が野球を見るような気分かな。
応募総数は約10,000組で、当選は約500組だったそうな。
当ててくれて、どうもありがとうございました先輩!
蛇足かもしれないけれど、リニアモーターカーって言うのは、
磁石の力で浮上し、磁石の力で移動する新しい列車のこと。
地面にふれていないから振動やエネルギーの損が少なく、
さらに車輪とレールの間の空回りも起きないから、
既存の鉄道では不可能な高速運転を、
より少ない電力で実現することができる、まさに次世代の乗り物。
ただし、これを実現するには強力な電磁石が必要であり、
強力な電磁石を作製するには超伝導材料が必要不可欠なのです。
中央高速を使って山梨にひとっ飛び。
1時間半くらい余裕を持って出発したんだけど、
渋滞のせいで着いたのは時間ギリギリだった。
夏休み最後の週末はやっぱ渋滞するねー。危ない危ない。
実験線のあたりは、なかなかに田舎でありました。空気が美味しい。
会場で、地元山梨のブドウを売っているおじいさんがいた。
味見したけれど、すごく甘かった!さすが名産地だねー。
夏休みだけあって、参加者の多くは子供連れの家族。
ほぼ例学無く、いかにも鉄道好きって感じのお父さんがハッスル!
子供もつられて何となくハッスル!ちょっと冷めた奥さまって感じでした(笑)。
大学生二人組で「コイルはIcの何割くらい電流流してるんだろうね?」とか
超伝導電磁石の材料トークばかりしていた俺たちは、完全に浮いていたと思います。
で、本題のリニアの感想ですが、
外観はカモノハシ。内装は、新幹線のぞみと同じ感じです。
まず第一に思ったことは加速が良い!
スピードメーターの数値が、みるみる上がっていくの。
シートに押しつけられる感触が、強力でありました。
時速170
km/h程度に達したところで、車輪を収納して浮上走行に移行するんだけど
その瞬間、振動や音が小さくなった。拍手喝采な雰囲気。
カーブを高速で通過したにも関わらず、横向きのGを感じないのも良かった。
リニアでは普通の鉄道と違って、レール(ガイド)と車体を大きく傾けられるので、
うまく遠心力を打ち消せるんだってさ。
5%の登り勾配のゾーンがあったのだけれども、全く問題なくすいすい走ってた。
新幹線で許される最大の登り勾配が1.5%なことを考えると、リニアって優秀だね。
摩擦に頼らない加速方式ってのは、何かと利点が多いなって実感しました。
今回の試乗会では時速500
km/h(新幹線の倍くらい)まで
出してくれたのだけれども、揺れもそんなになく、乗り心地は結構良かったです。
空気摩擦の「ゴー」って音はかなりしたけどね。「ガタンゴトン」って音が無くて、快適だったよ。
まとめると、リニアモーターカーは既存の鉄道と比べて最高速度に優れ、
なおかつカーブ、勾配の自由度も高いため、起伏に富む日本の土地に合っている。
また、加速にも優れるため、こだまのような停車・発車を繰り返す場合の時間のロスも少ない。
さらに、低エネルギーで運用でき、乗り心地も優れるという、神のような乗り物だと思った。
問題点は、既存の線路との互換性がないため、
専用の線路を新たに作り直す必要があることだろうなあ。
はやく普及してほしいものだけど、無理かなあ?